ドメスティック・バイオレンス(DV)の被害者は女性だけではない。
今日は、この記事から。
■別れた男性「局部」を接着剤で腹に固定、訴訟騒ぎに
ペンシルベニア州グリーンズバーグ――グリーンズバーグの裁判所によると、10カ月間付き合った男性の事後の浮気に腹を立てた女性が、元恋人を寝かせた間に「局部」を強力接着剤で下腹部に張り付ける騒ぎがあり、この男性は3万ドル(約354万円)の賠償金を求める訴訟を起こした。
女性は罪を認め、半年の観察期間の処罰を既に終えている。男性は、精神的打撃を被ったとして訴訟した。女性の弁護士は、生涯悩む致命的な傷を受けたわけではないと男性の行動を批判。「接着剤の使用は相互合意の要素もある。この種のもめ事は本来、寝室内で決着されるべきだ」と大人の解決を主張している。
訴状などによると、2人は1999年に破局。その直後、男性が別の女性とデートを始めたことなどに女性が立腹。2000年7月に女性が男性を自宅に誘い、眠らせた後に、急所に細工をしていた。お尻も接着剤で互いに密着させていた。また、マニキュアの液体で背中に「不実者」とも書きなぐっていた。
女性はこの際、破局の報復と男性に告げ、「助けを求めるためには、約1.6キロ離れたガソリン・スタンドまで歩かなければならない」と言い渡していたらしい。
AP通信は、男女の年齢に触れていない。
2005.11.05
Web posted at: 17:32 JST
- CNN/AP
これは、所謂ドメスティック・バイオレンス(DV)である。
日本語訳では「ドメスティック・バイオレンス(DV)」は一般的に「配偶者間暴力」と訳されるが、これでは本来の意味を満たしていない。本来は、配偶者間、恋人間、元配偶者あるいは元恋人間、また親子間や兄弟間における暴力も、これに含まれているからだ。
そして、あなたは無意識にでも、こう思い込んではいないだろうか?――DVの加害者(バタラー)は男性、被害者(バタード)は女性だと。
その傾向が強いことは否めないが、それでも、この思い込みは危険であると考える。
なぜなら、まず
(1)「自分がバタラーである」という自覚が希薄であるバタラー女性の存在
(2)また「自分はバタードである。DVを受けている」ということに気付かない、否、無意識下にその事実を抑制して閉じ込めてしまっている男性の存在
これらのことが見逃されてしまうため、当事者たちも、社会も、「ここでDVが行なわれている」という事実に気付かない危険性があるからだ。
この場合、男性は女性からDVを受けることに、感覚的に慣れ、麻痺してしまい、誰にもSOSを求めることがない。その必要性に気付いていないからだ。まさに密室の暴力。
そうして、冒頭のニュースも然りだが、日本でもこんな事件が起きてしまう――2000年1月6日、夫の浮気をめぐる夫婦喧嘩の末、31才の妻がフライパンで夫を殴り殺してしまった。懇意にしていただいている池内ひろ美先生……さん(笑)(だって、ご本人のご希望で「先生」はダメ出しされるんだもの~!)が、公判に足を運ばれ、実際に殺害の凶器として使われたフライパンをご覧になられたそうだが、それはそれは、とてもではないが直視するのも厭わられるような、原型すらとどめていないほどの無残な状態、殴打しに殴打した痕跡でぐにゃぐにゃに変形した鉄の塊だったそうだ。
また、2003年に結婚、2005年春に離婚した、1998年の長野オリンピックで金メダリストに輝いたフリースタイルスキー・モーグルの里谷多英選手も、離婚原因は「里谷多英選手の酒乱と夫へのDV」と報じられている。(里谷選手は否認しているが)
また、時代はさかのぼるが、江戸時代にも、妻からの夫への暴力が高じて、遂には殺害に至ってしまったという事件の記録が、数件残されている。
要は、男性の方が身体的に力が勝るため、「DV=男性が加害者」と結び付けられやすいが、暴力に男も女もないということだ。
いや、むしろ、身体的に力の劣る女性に対して、「たとえ女性の側から暴力を振るわれたとしても、それに暴力を返すことは、男性として許されざることだ」という固定観念から、ひたすら女性からの暴力に耐えている男性も多いことだろう。
DVのかたち、方法はさまざまだ。一般にもっともイメージされやすい「身体的暴力」はもちろんのことだが、その他、「言葉による心理的暴力」「経済的暴力」「性的暴力」「子どもを利用した暴力」「強要・脅迫・威嚇」「性の特権を振りかざす」「極小化・否認・責任転嫁」「社会的に孤立させる」など。
そして、わたしは「セックスを取り上げるという暴力=セックスレス」も、あるいはDVといえるのではないかと考えている。(「セックスレスというDV(1)――セックスレスの心理学(2)」参照)
コミカルタッチに描かれているとはいえ、「実録鬼嫁日記――仕打ちに耐える夫の悲鳴」などというブログが書籍化されて、売れ、さらにその類書まで発売されているいま。
これは、男性が悲鳴をあげることが、世のなかに許容される時代になってきていること。そして、彼らが声をあげていい、むしろあげるべきときにきていることを示唆しているのではないだろうか。
あなたの家庭にも、実はDVが潜んでいる……なんてことはないだろうか?
いまは、男性もDVの被害を世間に訴えられる時代になりつつあります。どうか、包み隠すことなく、脱出や解決の糸口、退避先などを見つけて、一刻もはやくDVから逃れてください。
【関連記事】
「セックスレスというDV(1)――セックスレスの心理学(2)」
「セックスレスというDV(2)――セックスレスの心理学(3)」「ドメスティック・バイオレンス(DV)の被害者は女性だけではない。」「セックスはあくまでもコミュニケーションのひとつ。「セックスレスへの不安」というのは、二人のセックス以外のディスコミュニケーションを表している。(働く男女の5人に1人がセックスレス――男と女で異なるパートナーへの不満)」
本日のBGM♪ Life Won't Wait / RANCID
いや~基本的に嫌いなんだけどね、RANCID(爆)でも、このアルバムだけは許容範囲。ハイになれるね!
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コメント
こんばんわ。
ホームページ閲覧させていただきました。
DVの形で、「性の特権を振りかざす」「極小化・否認・責任転嫁」「社会的に孤立させる」とありますが、これはどういうことなんでしょうか。
あくまで理解しておきたいために質問しました。
投稿: NS | 2008/03/28 00:21