性欲はなぜ起きる?(1)セクシャル・ブレイン――大脳生理学から
さて、「性欲」について、まずは脳の仕組みから探っていきたいと思います。
脳内で「性欲」を司っているのは、「視床下部」というところです。
「視床下部」の核となる部分は、男性は女性のそれより2.5倍もの大きさがあります。
この大きさひとつとっても、男性の性欲と女性の性欲には違いがありそうですね。
この核は、男性に特徴的な性行動(=ここでは「積極的で過度に異性愛的」とします)をつくりだし、アンドロゲン(男性ホルモン)に反応する細胞が、ほかのどの部分よりもたくさん集まっています。
女性でも、男性に特徴的な性行動をするひとは、ほかにも体毛が濃い、声が低い、ニキビができやすいといった特徴があるそうです。
男性、女性ともに、性衝動(≒性欲)を誘発するようななんらかの刺激を受けると、視床下部のある部位が反応します。
しかし、この反応部位も、男性と女性とでは違っています。
男性の場合、この視床下部のある部位が反応すると、ここから出た信号が皮質に伝わり、勃起を促します。そして、セックスにおいて「積極的」で「攻撃的」な「侵入する」役割にまわるとされています。
一方、女性の場合、この視床下部のある部位が反応すると(ちなみに、ここは、食欲を司っているところでもあり、摂食障害の原因もここにあるのではとされています)、セックスにおいて「受動的」で、侵入されやすい体勢をとるなど「侵入される」役割にまわるとされています。
これは動物実験でも明らかになっていることで、メスはそういった脳内の刺激を経て、性交の場面になると性器を見せるなどの態度をとり、オスの視床下部の姓反応に関わる部位を刺激すると、周囲のメスに関心を示すようになるそうです。
つまり、「脳」という側面から見ても、男性と女性とには、「性欲の起きる時点」から、その形態までに、明らかな男女差が存在するということです。
ですから、男性の性欲が、女性から見て旺盛だったからといって、「身体ばかりを求められる=身体目当てなんだ」などと思うことはないのです。
かといって、男性の脳にも、女性の脳にも、異性寄りの脳を持っているひとが多くいます。男性の脳の特徴と女性の脳の特徴をわかりやすくわけましたが、それは両者の端と端を挙げているだけのこと。
ですから、男性に性欲の起きにくいひとがいたとしても、女性に性欲の起きやすいひとがいたとしても、まったく不思議ではないのです。
(わたしが、先々このブログで取り扱いたいテーマのひとつに「インターセクシャル」がありますが)男性と女性とは、白と黒にはっきりとわけられるものではなく、グレーゾーンに位置するひとが大半なのです。
次回は、ホルモンの側面から、性欲というものをみていきたいと思います。
(もしかすると、脳をもう一回、もうすこし深くお話しするかも?)
【関連記事】
「愛情≠性欲≠勃起」
「性欲はなぜ起きる?(2)セクシャル・ブレイン――恋する脳、セックスする脳」
「性欲はなぜ起きる?(3)――性的刺激→勃起=精子がたまること=射精=性欲?! 男性の成長にしたがって」
「性欲はなぜ起きる?(4)――女性の顔に射精することと、母親からの分離・独立」
「性欲はなぜ起きる?(5)セクシャル・ブレイン――恋する脳、セックスする脳(2)」
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コメント
なるほど~。元旦那が「SEXはあまり好きじゃない。」と言ったとき、そんな男がいるかぁ!!なんて思ってましたけど、彼が持って生まれた性質だったのかな・・・って感じました。
投稿: BEATmama | 2006/02/01 09:11
めちゃ、わかりやすいです。
あと、年齢とか体験も性癖に影響しますよね。
投稿: Yasushi | 2006/02/01 12:34
>BEATmamaさん
うんうん、男性がセックスを好きでなくっても、ぜんぜん不思議なことではないです^^
>Yasushiさん
いやぁ、なんかツマンナイ文章になっちゃいました。身体的(主に大脳生理学)、社会的、心理的、大きくその3つの側面から見ていこうと思うんですが、身体的なところは、わたしがおもしれ~って思っていることでも、イマイチ文章としておもしろみに欠けるものになってしまっていて。むーーー。
うんうん、年齢、体験、ありますよね。男性の性って、加齢の影響が女性よりも如実に現れやすいですよね。体験は、特に初期の性体験――幼児期になんとなくキモチイイトコロを知ったところから、はじめて射精や夢精を経験したとき、はじめて自慰行為をしたとき、そしてはじめてセックスを体験したとき――そういった初期体験が後にそのひとに与える影響が、わたしにとっては興味深いです。はじめてのセックスそのものよりも、むしろ、それ以前の方に、より興味があります。
投稿: 大川内 麻里 | 2006/02/02 01:43
読み物は何でもそうですが、たとえつまらなくても、まず前提として述べておかなければならない事は付きものです。
いま博士論文を印刷屋に渡すために、修正執筆しているところなんですが、「あー、つまらん。早く本題に入りたいよ~。でも、コレしっかり書いとかなけりゃ、続く論旨が矛盾を起こすからなあ……」っていうところがたくさんあります。鬱も低調なので、そういうツマンナイところを書くのはホント辛いです。
> うんうん、年齢、体験、
> ありますよね。男性の性って、
> 加齢の影響が女性よりも如実に
> 現れやすいですよね。体験は、
> 特に初期の性体験――幼児期に
> なんとなくキモチイイトコロを
> 知ったところから、はじめて射精や
> 夢精を経験したとき、はじめて
> 自慰行為をしたとき、そしてはじめて
> セックスを体験したとき――
> そういった初期体験が後にそのひとに
> 与える影響が、わたしにとっては
> 興味深いです。
えーと、書きたいことが色々あるんですが、メールにします。(^_^;;;
投稿: Yasushi | 2006/02/02 20:06
>Yasushiさん
> 鬱も低調なので、そういうツマンナイところを
> 書くのはホント辛いです
世界ナンバー2セールスウーマンの和田裕美先生が、「アウトプット時間」と「インプット時間」にわけた考え方をされていて、なるほどと思いました。
書くという作業には、ノルときとノラナイときがどうしてもある(わたしも痛感しています^^;)。ノラナイときには、それを「インプット時間」と割り切って、読書などの時間に使う。
といっても、博士論文なら期限もあるだろうし、そうもいってられないんでしょうね。おつかれさまです。
投稿: 大川内 麻里 | 2006/02/05 04:37