■レイプ被害者・被害児の心理(4)~家族の受け止め方
強姦に遭った被害者・被害児を前にして。
親は、パートナーは、家族はどういった心理になるのか、
問題、対策などをお話したいと思います。
わたしは強姦被害者(男性・男児も含めて)のご家族やパートナーから
ご相談をいただくことも、
悲しいことに、決してすくなくない数あります。
自分の子どもやパートナーが強姦に遭ったとき。
「なぜ守ってやれなかったのか」
と自分を責めるひとが大半です。
先日の小平女児連続強姦猥褻事件の親たちも
きっとそういう心境でしょう。
当人も「なぜ守ってくれなかったのか」とまわりを責め、
関係が悪化してしまうこともあります。
どうしようもない行き場のない感情が、
もっとも身近な人間にいってしまうんですね。
でも「それは違うよ」と言いたい。
憎むべきは悪しき犯人であり、
その矛先を家族が自ら自分に向けることは、
当人の認識をゆがめてしまう危険性すらあります。
また「強姦の被害に遭ったなんて恥ずかしい!」と
親やパートナーが当人を突き放し、
一切支えにもなってくれないという場合もあります。
これはまわりの人間の
強姦という事実を認めたくない心理が
ゆがんだ方向に向かってしまったものですが、
当人はひとりでがんばらなければならなくなり、
大変きついものです。
これも強姦に遭ったことが恥ずかしいのではない、
強姦することが恥ずかしい以上に卑劣で非人間的なことである
という事実を正しく認識することが大切です。
最近の調査で、
強姦の被害にあった被害者のうち、
被害に遭った年齢は
12.2%が小学生のときであり、
また小学校入学前は3.3%と
あわせると15.5%でありという
おぞましい結果が出ています。
それもこれはあくまでも表に出てきている数字だけであり、
水面下にはまだまだ被害者がいると考えられます。
また被害について
「だれにも相談しなかった」が62.6%ともっとも多く、
ひとりで耐え抜いている被害者・被害児の姿が浮かび上がりました。
相談しなかった、できなかった理由として、
もっとも多かったのはなんだと思いますか?
「恥ずかしくて」(42.6%)ですよ?
それに続くのは「自分さえ我慢すればいい」(29.9%)です。
なぜ被害者が自分を恥じなければならないのか。
自分さえ我慢すればいいなどと思わなければならないのか。
たしかに警察に被害届を出すのにも、
犯人がつかまった場合、その後の公判などにおいても、
被害者・被害児は相当つらい立場に置かれます。
ですから、被害届や裁判などは
本人がそれに耐えうるかという問題があるのですが、
ただし
「強姦されたことは恥ずかしいことではない」
「憎むべきはほかでもない犯人のみである」
という事実認識がゆがんでしまうと、
その後の心の回復にも
支障が生じてしまう危険性があります。
回復への第一歩は事実を正しく認識すること。
わたしも長いあいだ
「自分がわるい子だから(被害に遭ったのだ)」
と自分を責めていました。
でも事実はそうじゃない。
家族やパートナー、まわりにいるひとたちは、
当人が正しい事実認識ができるようサポートしてあげてください。
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レイプ被害「小学生の時」12%
内閣府が昨秋、男女間の暴力に関して成人男女3129人に行った調査で、異性からのレイプ被害者は第三者に相談をすることをためらう傾向が強いことが分かった。被害者の低年齢化も目立った。
配偶者(事実婚を含む)から、DV被害を受けたことがある人の割合は前回調査(2005年)とほぼ同じで、女性 33・2%、男性17・7%。加害者を配偶者に限らず、「異性から無理やり性交された経験」を女性(1675人)に尋ねた質問でも、123人(7・3%) が「ある」と答え、前回(7・2%)とほぼ同じだった。
ところが、被害に遭った時期を「小学生」とする割合は12・2%で、前回の8・8%より増加した。「小学校入学前」と合わせると15・5%(前回14・1%)だった。
被害後の相談先については「どこ(だれ)にも相談しなかった」人の割合が62・6%と最も多かった。その理由とし て「恥ずかしくて」(42・9%)が最も多く、「自分さえ我慢すればいい」(29・9%)が続いた。また、「家族や親類に相談」する割合は、DV被害者が 27・6%なのに対し、レイプ被害者は8・1%にとどまった。
お茶の水女子大教授(法女性学)の戒能民江さんは「レイプ被害は防止策・被害者支援策が極めて遅れている。数字に表れない被害者が大勢いるはず」と話している。
(2009年4月6日 読売新聞)
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