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前回、わたしは「未婚の中高生である10代のあなたたちが、はじめてコンドームをつけずにセックスをしていいのは、結婚して子どもをつくるときだけ」とお話しましたね。
「なにを古臭いこといってんのォ?!」って思う子が多いことは承知の上です。
今日は「妊娠することとはどういうことなのか」をお話ししましょう。
わたしの友人に、中学卒業の時には、すでに妊娠していて、まわりの反対を「中絶するってことは、人ひとり殺すっていうことだから」と断固として押し切って、16歳で結婚、出産。
そしてわずか1年足らずで、生後数ヶ月の息子を連れて、離婚をしてしまった子がいます。
離婚当時の彼女はというと、まだまだ遊びたい盛り。とてもじゃないけれど、母親になれるような子ではありませんでした。
案の定、彼女の息子は、彼女の母親にほとんど預けっぱなしで、自分は恋愛に車に遊びにと好きなことをし放題にしていました。息子が「お母さん」と呼ぶのは、事実上のおばあちゃんであって、本当のお母さんである彼女のことは、ずっと「ミキ」と、友だちのように名前で呼んでいました。
そんな子も、いまは小学校6年生。
母親である彼女が落ち着いて、子どもを引き取ってきちんと育てられるようになったのは、つい最近のことです。つまり、その息子にとっては、10年以上ものあいだ、母親という存在が不在だったわけです。「ボクを産んでくれたのはミキ。だけど、ボクはお母さんといっしょに暮らすんだ」という理解でいたようです。
(「これまでさびしい思いをさせた分、たくさん愛してあげたい」といっています。実際10年以上の溝は埋められたのかどうか……)
その友人が、18歳くらいのときのことだったでしょうか。
当時付き合っていた彼とのセックスで、またしても妊娠をしてしまったことがあります。
さすがに今度は親に相談することもできず、わたしも相談を受け「自分の立場だったらどうする?」と聞かれたものの、ロクな返事を返すこともできず。
彼女は悩みに悩んだ末――……人工妊娠中絶(堕胎)することを決めました。
中絶という選択肢をとった彼女は、こういっていました。
「中絶することに、女として怖いという気持ちがあるのはたしか……。
それに、おなかのなかの小さな命を奪ってしまうんだと思うと、気がおかしくなりそう……。
でも、子どもは産めばいいってものじゃない。産むという選択肢が、すべて正解だというわけじゃない。
――ってことが、ダイキ(16歳で産んだ長男)を産んでみてわかった」
人工妊娠中絶には、ふたつの方法があります。
●ひとつめは、まずラミナリアというの水分を含んで膨張する器具を子宮口に挿入し、丸一日ほど待って、子宮頸管を大きく開きます。これは、もともとは普段からぴったりと閉じている子宮口を無理矢理にすこしずつこじあけるわけですから、激痛がともなわないわけがありません。
でも、手術はそれからで、ラミナリアを抜いて、麻酔を打ってから、子宮内にあるもの……命ある胎児を掻爬(掻き出すこと)するのです。
掻爬というのは、医師からも見えない子宮内を専用器具で手探りで掻き出すため、一歩間違うと、子宮壁面などが傷つく恐れなどがあり、将来的に妊娠ができない状態になるリスクがあります。
なお、この方法が使えるのは、妊娠10週(3ヶ月)までです。
★重要★ 妊娠の週月は、最後の生理がはじまった日を1日目として数えます。そこを間違えないように! 「生理が遅れている」ことに気付いたころには、すでに妊娠2ヶ月目にさしかかっているくらいのところなのです。
●そして、もうひとつの方法。おなじように子宮頸管を広げた後に、子宮収縮剤を用いて人工的に陣痛を起こして娩出させるのです。赤ちゃんを産むのと、まったくおなじようにして、無理矢理に胎児を産み、殺すのです。もちろん、本当の出産とおなじ要領なのですから、麻酔なんて使いません。あなた自身、はっきりと意識のある状態で、死ぬためだけの命でしかなかった胎児を産み殺すのです。
この方法は、妊娠21週(5ヶ月)まで、胎児がもうしっかりと赤ちゃんのかたちに育って、ひとつめの掻爬手術では子宮内から胎児を出すことができないときに用いられる方法です。妊娠22週目以降の人工妊娠中絶は、母体保護法で禁じられています。
まだ出産を経験したことのない女の子が、こんな経験をせざるをえないことの恐ろしさ――想像を絶するものがあるのではないでしょうか。
いずれにせよ、人工妊娠中絶する女性は、身体的にも、そして精神的にも、大きな大きなダメージを受けることに違いはありません。
先述の友人も、中絶後には、身体的な痛みや出血に加え、中絶したことを思い起こしては大泣き、精神的な苦痛が続き、気の狂いそうな思いを長い長い月日にわたってしたそうです。
次に、わたしの中学校のひとつ年上の先輩の話をします。
彼女は、中学卒業後から、わたしが知っているだけでも、すくなくとも10回は中絶しており、うち3回ほどは、胎児が育った状態、それも妊娠7~8ヶ月、母体保護法(中絶のための法律)違反となる時期をすぎたころまでになっての中絶でした。もちろん、法律違反を犯す医師ですから、闇医者などと呼ばれるところでです。あと2~3ヶ月で生まれることもできる、いまですら未熟児として生きることもできるのに、もう性別や顔つきなんかもしっかりわかるというのに、出産とおなじことをしながら、生まれてくるのは、一瞬にして殺されてしまうだけのための命……。
中学を卒業してから、毎年のように妊娠中絶を繰り返しているわけですから、相当に乱れまくった性生活を送っていることはいうまでもないでしょう。
彼女も、中絶したそのときだけは泣いたり反省したりするのです。
でも、舌の根も乾かぬうちに、またおなじことを繰り返してしまう。
彼女は、実はジャパニーズコリアンであり、そして、祖母が母でもあるという複雑な家庭環境に育ちました。祖母が母でもある、というのは、祖母が離婚して再婚した男性と、戸籍上の娘にあたる、彼女の母が結ばれてしまったのです。
そういった複雑な家庭環境が背景にあるとはいえ、妊娠→中絶、妊娠→中絶……の繰り返しに、もう感覚が麻痺して慣れきってしまったのではないかと思います。
そんな彼女のことを、わたしたちは、こう見ています。
「彼女は、きっといざ本当に子どもがほしいとなったときに、産めないはずだ」と。
それから、今度はわたしの話をします。
「娘が大きくなってから、読んだときに悲しませるような文章は書かない」わたしにとって、本来ならば、これは書きたくないことなのですが……。
わたしは短大卒業時に妊娠していました。所謂『できちゃった結婚』ではなく、『つくっちまえ結婚』とわたしは呼んでいるのですが、でもいまの妊娠が先で結婚するカップルは、ほとんどが、『できちゃった』ではなく、『つくっちまえ』ですよね。「子どもができたら結婚しようね」って。
自分が踏んだ道なのでいえることでもあるのですが、男性の「子どもができたら結婚しようね」という約束を安易に信じてはいけません。
だって、人柄としてはとても誠実でまじめだった彼が、「子どもができたら結婚しようね」と話していたのに、いざというときになったら、ご両親の反対もあって、「堕ろしてください、お願いします」と土下座したのですから。
「わたしの彼なら大丈夫、絶対にそんなことない」と思うかもしれないけれど、でもこういうパターンも往々にしてあることは、かならず心に留めておくべきです。
一度はひとりで産んで育てる決心をし、「一生、ママのおっぱい吸うとれや」を彼への捨て台詞に、郷里である福岡に帰省しました。
でも、その後、ごたごたしながらも、わたしが妊娠7ヶ月を迎えたころに、ようやく入籍。彼の実家で二世帯同居生活をスタートさせました。
しかし、このブログのプロフィールやこれらの日記(1 ・ 2)にも書いていますが、その後、わたしたちは離婚しています。そして、娘の親権・看護養育権ともに、彼のもとへ。
母性神話に感化されたこの国では、覚悟はしていたことですが、やはり「なぜ連れて出なかったの?」と、よく聞かれます。さまざまな事情があるのですが、一言でいうとすれば「自信がなかった」……。
もう3年も会わせてもらっていない娘のなかに、「ママ」の存在は残ってくれていて、娘から、元姑の手伝いあって、お手紙をもらったりしていました。
娘は先月6歳の誕生日を迎え、来年は小学校入学を目前にしている矢先で、浅はかながら、淡い期待を抱いていたのです――「もうすぐ会えるときが、抱きしめて、キスしてあげられる日が」……と。
しかし、元夫が再婚することとなり、淡い期待、浅はかな夢想は無残に崩れたのです。
――と、これまでの約8年間の日々を淡々と綴っているようですが、そこには、どれほどの傷みや苦悩、罪悪感、心の病などがあったことか……よその小さな子どもの泣き声が「どうして連れて行ってくれなかったの?」という娘の泣き声に聞こえた。「ママがいい!」と泣き叫ぶ娘をそれでも手放さなければならなかった、幼い娘に「ママといたい」というあたりまえの願望を我慢することまで覚えさせてしまった……でも、それは、わたしが甘受すべき罰であると受け止めています。
なによりも娘の幸せが一番大事で、娘が幸せならば、わたしはそれで……。
娘を婚家に残して出て行くとき、冒頭に書いた友人の言葉が、ふと頭をよぎりました。
「子どもは産めばいいってものじゃない」
――妊娠するということは、こういったことなのです。
決して甘く考えないでください。
命、を生み出すということなのです。
「産まない」という選択肢を選ぶとき、
あなたはひとつの命を消してしまうことになるのです。
だからといって、「産む」という選択肢を選ぶには、
あなたたちは、まだまだ若すぎるのではないでしょうか。
子どもは産めばいいってものでも、産まなければいいってものでもありません。
どうか安易に考えないで。ひとつの命なのですから。忘れないでください。
だから、「未婚の中高生である10代のあなたたちが、はじめてコンドームをつけずにセックスをしていいのは、結婚して子どもをつくるときだけ」なのです。
よく「妊娠はお互い半々の責任だから」といいますが、こうして身をもって、不妊症になるリスクまで抱えて、傷ついていくのは、女性たちなのです。責任が半々だなんて冗談じゃありません!
また、わたしは、中絶せざるをえなかった女性の彼、男の子の方から、罪悪感に苦しみ悩んで相談を受けたことがあります。
友人が「なんでわたしが中絶するときにきてくれなかったの?!」と、彼氏に詰め寄る姿を見たこともあります。
「ひとの命を救う仕事がしたい」といっていた友人が、不倫に走り、一転して豹変、相手である既婚男性の子を妊娠しては中絶する……「だって仕方ないじゃない、結婚できないものは結婚できない。産めないものは産めないのだから」
妊娠にまつわる、たくさんの男女の涙を見てきました。
狂ったように泣き叫ぶ女性も。逃げ腰になる弱い男性も。
これを読んでくれた限り、あなたには、おなじあやまちを決してしてほしくないのです。
急ぐことなんてないよ。もっといっぱい遊んで、勉強して、恋をして、社会を知って……たくさんの経験をして、さて……と、ひと段落したときでいいじゃない。
きっと、あなたは、まだまだ母親になんてなれないよ。
いつか、母親になるときがきたら、そのときは、そのタイミングで、母親になれるようになっていますから……ね^^
本日のBGM♪ 40 oz.to freedom / SUBLIME
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